仕事人

社会にはいろいろな仕事があるよ。気になる仕事や仕事人をたくさん見つけよう!

東京都に関連のある仕事人
1985年 生まれ 出身地 東京都

加藤(かとう) 麻里子(まりこ)
子供の頃の夢: パティシエ
クラブ活動(中学校): バスケットボール部
仕事内容
「午後の紅茶」という商品のブランドを育て,お客様の期待を超える商品やサービスを提供して,この先の未来にも残せるブランドに育てること。
自己紹介
動物占いは「コアラ」なので,のんびりする時と,行動的な時と二面性を持っています。休みの日は,友達とおいしいものを食べたり,ショッピングをしたり,TVを見たりして過ごしています。夏はバーベキューとプール,冬はスノボと温泉に行くのが好きです。
出身大学・専門学校

※このページに書いてある内容は取材日(2020年03月10日)時点のものです

製せい品ひんのブランドをつくり育てる

製品のブランドをつくり育てる

私わたしは飲料メーカーのキリンビバレッジ株かぶ式しき会社で,「キリン 午後の紅こう茶ちゃ」(以下,午後の紅こう茶ちゃ)という商品の「ブランド」を育てるブランドマネージャーという仕事をしています。

ブランドとはなんでしょうか? ブランドとは,お客さまの心の中にその商品の価か値ちや特とく徴ちょうが深く根づいているものだと,私わたしは考えています。「午後の紅こう茶ちゃ」は多くの人が,それぞれの中で「こういう見た目で,こういう味がして,こういう気分になれる飲み物だ」とイメージできると思います。同じ紅こう茶ちゃでも,名前やブランドがない紅こう茶ちゃには,そのような共通したイメージはありません。多くの人がその商品の名前やイメージを知っていて,どういうものか理り解かいしていること,それが「ブランド」といえると思います。

ブランドマネージャーは小さな会社の社長のような存在

ブランドマネージャーは小さな会社の社長のような存在

ブランドを育てるというのは,より多くの人にブランドの存そん在ざい意い義ぎや価か値ちを知ってもらい,愛されるようにすることです。そして,「午後の紅こう茶ちゃ」をより多くの人に買ってもらうようにすることです。

私わたしはブランドマネージャーとして「午後の紅こう茶ちゃ」のブランドを育てていますが,その仕事内ない容ようは一つの会社の社長のようなイメージです。私わたしは,「午後の紅こう茶ちゃ株かぶ式しき会社」の社長という感覚で,「午後の紅こう茶ちゃ」シリーズをつくることから販はん売ばいすることまでのすべてに責せき任にんをもっています。

お客さまが期待する,「午後の紅こう茶ちゃはこうだといいな」と思っていることよりも,もっと良いものを提てい案あんすることで,「午後の紅こう茶ちゃ」のファンを,より増ふやすことができます。そのために,紅こう茶ちゃのおいしさや香りのよさ,パッケージのデザインや広告など,現げん在ざい発売しているものよりも,もっと良いものにできるよう,毎日,頑がん張ばっています。

多くの人と協力して新商品を生み出す

多くの人と協力して新商品を生み出す

ブランドマネージャーとしての仕事はとても幅はば広ひろい分野に渡わたります。例えば,新しい商品を発売するときを例に説明してみましょう。

新商品をつくるときは,まず「市場やお客様調ちょう査さ」をして,どんな商品なら売れそうか,たくさんのデータを見ながら新しい商品のコンセプトを考えます。コンセプトが決まったら,商品開発チームと紅こう茶ちゃの味をつくったり,デザインチームとパッケージのデザインを検けん討とうしたりします。そこでも,どんな味がいいのか,パッケージはどんなデザインがお客さまにとって魅み力りょく的てきかを調ちょう査さして,その結果を商品づくりに生かしていきます。味とパッケージデザインが完成したら,実じっ際さいに工場で生産できるか生産チームと相談し,お客さまに届とどける商品をつくります。

たくさんの人に商品を届とどけるために

たくさんの人に商品を届けるために

商品が完成したら,お店で「午後の紅こう茶ちゃ」を売ってもらうための戦せん略りゃくを営えい業ぎょうチームと一いっ緒しょに考えます。
紅こう茶ちゃ,コーヒー,炭たん酸さん飲料などのソフトドリンクは,販はん売ばいされている種類も多く,新商品も次々と登場します。
どうやってお店の棚たなに商品を並ならべてもらうか,そして,棚たなの中でもより目立つ場所に置いてもらえるかが,商品をお客さまに選んでもらう大切なポイントです。
また,たくさんの人に,新商品を知ってもらうために,テレビやウェブ広こう告こく,SNSを使ってクチコミを広めたり,ときにはメディア向けに記者発表会を開いたりもします。
そして,発売された後は,計画通りに商品が売れているか細かくチェックして,問題があればそれを解かい決けつして,売上の目標を達たっ成せいできるようにしていきます。

ブランドのすべてを管理する,充じゅう実じつした毎日

ブランドのすべてを管理する,充実した毎日

私わたしのチームは現げん在ざい10人で,それぞれが「午後の紅こう茶ちゃ」シリーズの担たん当とう商品を持っています。私わたしはブランドマネージャーとして,担たん当とう者とやり取りしながら,ブランド全体を管理しています。
社内での打ち合わせや,会社の経けい営えい陣じんに向けたプレゼンテーションなどに加えて,広こう告こく代だい理り店てんなど社外の人とのやりとりも多くあります。
1つの商品を世の中に出すまでに,長い年月かけて,社内外の多くの人達たちと協力しながら,一歩ずつ前に進めていきます。毎日,複ふく数すうのプロジェクトを進めているので,忙いそがしいですが,充じゅう実じつ感もすごく感じています。特に,お客様のSNSの投とう稿こうや,街で偶ぐう然ぜん「午後の紅こう茶ちゃ」を持っている人を見かけると,ものすごく嬉うれしく,そして幸せな気分になります。

正せい解かいがないからこそ,最さい大だい限げんの努力をする

正解がないからこそ,最大限の努力をする

「午後の紅こう茶ちゃ」は発売から30年以上も続く,会社を代表するブランドです。これまで多くのブランドマネージャーがたくさんの努力を続け,そして多くのお客さまに愛され続けていることが分かるからこそ,その偉い大だいなブランドを担たん当とうすることに,プレッシャーを感じる時もあります。ですが,同時に,それを上回る大きなやりがいを感じています。

ブランドを育てていく私わたしの仕事には,「こうすればブランドが育って,必ず売れる!」という絶ぜっ対たい的てきな正せい解かいがありません。「午後の紅こう茶ちゃ」のブランドを担たん当とうした1年目は,売上を思ったように伸のばすことができず,責せき任にんを感じて落おち込こみました。しかし,次の年は絶ぜっ対たいに良い結果を残そうと気持ちを切きり替かえ,社内外の多くの人たちと一緒に努力を積み重ねた結果,過か去こ最高の売上を達たっ成せいすることができました。それまでの努力が結果につながり,とてもとてもうれしかったです。

「午後の紅こう茶ちゃ」は,みなさんから長い間,愛され続けてきたブランドです。もっと多くの人に飲んでもらえるようになるためにも,これからも明るく前向きに,自分ができる最大限の努力を重ね,責せき任にん感かんを持って頑張っていこう,といつも考えています。

同じ失敗を繰くり返かえさないことが大事

同じ失敗を繰り返さないことが大事

仕事には結果や成果が求められるという厳きびしさもあります。思ったような成果が出せないこともありますが,そういうときはあまり落おち込こみすぎず,ストレスを溜ためないことも大切です。

私わたしは,おいしいものを食べたり,大好きなお笑いやドラマを観みたりすることでストレスを解かい消しょうして,落おち込こんだ気持ちを翌よく日じつに持もち越こさないようにしています。起こってしまったことは変えられないし,落おち込こんでばかりいても前に進むことはできません。
それよりも,気持ちを切きり替かえて,同じ失敗をしないために,次はどうするかを考えたり,行動したりすることを大切にしています。それは人生において,どんなときでも役に立つと思っています。

人生の分ぶん岐き点てんで,一歩踏ふみ出だす勇気を

人生の分岐点で,一歩踏み出す勇気を

将しょう来らい,どんな仕事につきたいのか,どんな人生を歩みたいのか。そういうことを考えるとき,「一歩踏ふみ出だす勇気」が必要なときもあります。私わたしは,高校2年生のとき,父親の仕事の関係で中国のインターナショナルスクールに転校したのが,人生の分ぶん岐き点てんでした。 日本に残って,仲の良い友人たちと楽しい高校生活を過すごして,そのまま日本の大学に進学するか,それとも,中国という全く違ちがう環かん境きょうで生活をするのか。その先の大学進学をどうするかも含ふくめて,とても悩なやみました。

そんなときに背せ中なかを押おしてくれたのが,当時通っていた高校の先生の言葉です。「今,このタイミングで中国のインターナショナルスクールに通うということは,誰だれもができる経けい験けんではないから,ぜひ,行ってみたら」と。その言葉に勇気をもらって,転校を決意しました。

後から振ふり返かえると,あのとき中国に行って,新しい世界を知ったことがその後の人生を大きく変えたと思います。アメリカの大学に進むことになったのも,大好きなマーケティングの仕事ができていることも,あのときの選せん択たくのおかげです。居い心ごこ地ちが良い今の環かん境きょうを捨すててでも,新しいチャレンジをする勇気の大切さを教わりました。

多様なものの見方を身につけよう

多様なものの見方を身につけよう

私わたし自身,父親の仕事の関係で,小さいころから日本と海外を行ったり来たりする生活を過すごし,海外で暮くらす日本人として,「マイノリティ(少しょう数すう派は)」という立場を経けい験けんしてきました。その経験から学んだことは,人を見た目や立場で判はん断だんせずに,いろいろな人の意見に耳を傾かたむけながらも,自分で考えることや自分の考えを持つことがとても大切だということです。
私わたしたち,そして,みなさんが大人になって働くころには,世界はもっとつながり,たくさんの人たちと協力しながら働く事が大切になっていきます。
そのようなとき,自分と同じような考え方を持った人としか協力できないのでは,できることがとても少なくなってしまいます。
今の自分のいる場所や環境から外に出て,今まで知らなかった新しい世界に目を向けてみてください。きっと自分の可か能のう性せいが大きく広がっていくはずです。子どものうちから幅はば広ひろく,いろいろな人と関係を築きずいてたくさんの経けい験けんをすることが,多様なものの見方を育ててくれます。そして,そうやって養った力をこれからの社会に是ぜ非ひ役立ててもらいたいです。

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高橋歩
様々な国で撮影された写真と共に,短い言葉だけど,力強い言葉が並べられています。学生の時にこの本に出会い,私に一歩踏み出す勇気を与えてくれた本です。
井上雄彦
高校のバスケットボール部を描いた漫画で,青春が沢山詰まっています。普段漫画を読まない私でも,唯一ハマった漫画です。時代を超えて愛される,涙あり,笑いありの名作です。

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取材・原稿作成:日経BP